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重点対象分野における労働災害防止対策

業種別労働災害防止対策

 次に掲げる業種別対策を重点的に推進する。また、林業、港湾貨物運送事業、鉱業その他の災害発生率の高い業種についても引き続き積極的に労働災害防止対策を推進していく。なお、実施に際して、労働災害防止団体等は業種等の特徴を踏まえた目標値等を設定することにより、その対策の推進を図る。
  1. 建設業対策
     元方事業者を中心とした総合的な労働災害防止対策の推進を図る。特に、中小総合工事業者の関係請負人である専門工事業者に対する安全衛生管理についての指導力を高めるため、現場所長教育及び新規入場者教育の支援等の総合的な施策を実施する。また、専門工事業者の安全衛生管理能力の向上を図るための施策を推進する。
     さらに、今後増加が見込まれるコンストラクション・マネジメント(CM)方式等の新たな発注・契約形態については、適切な統括管理体制の在り方を検討し、その結果を踏まえて必要な措置を講じる。
     墜落・転落災害を減少させるため、建設工事において手すりを先行する足場組立工法の普及・定着を推進する。なお、木造家屋等低層住宅建築工事については、引き続き、足場先行工法の普及・定着を推進する。
     さらに、建設機械等による災害を減少させるため、クレーン機能付きドラグ・ショベルを普及し、危険検知システムの周知を図るとともに、転倒時等における運転者の安全を確保する防護装置の周知を図る。
     このほか、土砂崩壊災害を減少させるため、上下水道等工事における土止め先行工法の普及・定着を図るとともに、切土等の作業における斜面崩壊に対する効果的な対策を検討する。また、建築工事、橋りょう梁工事等における仮設構造物の安全性の検討を行う。
     また、粉じん障害の防止についての総合的な対策を推進するとともに、建築物の解体作業等における石綿のばく露防止対策、一酸化炭素中毒、有機溶剤中毒等の防止対策の徹底を図る。
     これら労働災害防止対策の実施に当たっては、発注機関の協力が不可欠であり、今後とも発注機関と連携して労働災害防止対策を積極的に推進する。
  2. 陸上貨物運送事業対策
     交通危険マップ等も活用した適正な走行管理を始め「交通労働災害防止のためのガイドライン」を重点として交通労働災害防止対策の徹底を図る。
     また、荷役作業における墜落・転落災害や荷役機械による災害等を減少させるため、安全作業マニュアルの整備、同マニュアルを用いた教育等により安全な作業方法の徹底を図る。
     このほか、荷主等に対し、発注条件の適正化の促進を図るとともに、荷の積卸し現場における安全な作業環境の整備促進を図る。
  3. 第三次産業対策
     交通労働災害防止対策及び業種別に策定された労働災害防止のためのガイドラインの徹底を図るとともに、廃棄物処理業等の労働災害発生率の高い業種については、業種特有の職場のリスクを低減させるため、当該業種の事業者団体における安全衛生管理活動を推進させる。
     また、これらの業種以外の業種についても、事業者団体に対して安全衛生情報センターから提供されている安全衛生情報の有効活用等により自主的な安全衛生活動を促進するよう働きかける。
     このほか、安全衛生管理上問題の多い事業場に対して、労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタント等による安全衛生診断を促進する。

特定災害防止対策

  1. 機械に係る労働災害防止対策
     機械による災害を減少させるため、製造者等がリスクアセスメントを行い、機械を安全に設計・製造し、使用等する「機械の包括的な安全基準」の実効性の確保を図る。また、機械の安全化の基本となる基準・規格の性能規定化、並びに個別機械の基準・規格の国際整合化及び民間規格の活用促進を図る。さらに、基準・規格への適合確認手続きについては、国が指定する製造時等検査代行機関等による検査・検定の実施から、登録機関による実施への移行を図るとともに、安全衛生管理等の優良な事業者に対する自己確認等のインセンティブ制度について検討しその導入を図る。
     また、機械を使用する事業者がより安全水準の高い機械を導入しやすくするため、機械の安全制御部について安全水準を表示する対策を推進する。
     金属加工用機械、木材加工用機械、食品加工用機械等において労働災害が多発している現状にかんがみ、災害原因の分析結果を踏まえた重点的な対策の徹底を図る。
  2. 交通労働災害防止対策
     交通労働災害を減少させるためには、事業者はその対策を自動車等を運転する労働者任せにするのではなく、労働時間管理、安全衛生管理の観点から主体的に取り組むことが重要である。このような観点から、「交通労働災害防止のためのガイドライン」の徹底を引き続き図るとともに、交通労働災害を発生させた第一当事者が所属する事業場に対する災害原因調査を実施し、その分析結果に基づく再発防止対策の徹底を図る。
     また、交通労働災害による死亡者の約7割が自動車乗車中であり、自動車乗車中の死亡者の約6割がシートベルト未着用であることを踏まえ、シートベルト着用徹底を含め、事業場における交通法規の遵守等についての教育を推進する。
     さらに、道路上の工事現場に誤って進入してくる自動車による交通労働災害から作業中の労働者を守るため、安全な交通誘導等の有効な対策を推進する。
  3. 爆発・火災災害防止対策
     爆発・火災の危険性の高い化学物質に係るプラントについては、「化学プラントに係るセーフティ・アセスメントに関する指針」に基づく対策の徹底を図る。
     また、爆発・火災災害防止の観点からも、化学物質等安全データシート(MSDS)に記載される危険性に関する情報の積極的活用を図る。
     さらに、小規模雑居ビルにおける防火安全対策のため、事業者が行う安全衛生教育を推進するとともに、マグネシウム合金等による粉じん爆発防止対策等各方面における爆発・火災災害防止対策の徹底を図る。


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